鶴岡高専は2021年10月26日に、さくらサイエンスプログラムの支援を受け、タイのラジャマンガラ工科大学ラーンナー校(RMUTL)と2回目となるオンライン交流事業を実施しました。ラジャマンガラ大学とは2019年5月に学術交流協定を締結し、お互いに交流を深めてきました。さくらサイエンスの支援を受け、RMUTLの学生を招聘する計画でしたが、コロナ禍でも交流を継続することを目的に第2回オンライン・ミニ・シンポジウムを開催しました。両校の学生・教職員など計19名が参加しました。
はじめに、本校の森政之校長、RMUTLのノパドン教授(学部長)から、これまでの相互交流への謝辞や今後のアフターコロナに向けた交流継続について希望を込めた挨拶がありました。続いて和田准教授(機械コース)から本校紹介に加え、ラジャマンガラ大学からの要望により本校が取り組むCDIO Initiativeに沿った実践的教育の取組紹介がありました。CDIOとは工学教育の改革を目的として考案・提唱された教育指針で工学教育の世界標準です。ノパドン教授からも学校紹介とラジャマンガラ大学のCDIOに基づく取り組みについてお話しいただきました。互いにCDIOに沿った教育システムを取り入れていることから、将来的には長期交換留学における単位互換やダブルディグリー制度の可能性についても議論されました。また、CDIO Initiativeフレームワークを利用した教育プログラムをお互いに共有し合うことの提案、協議もされました。
その後、本校学生3名が人協働ロボットCOBOTTA®を利用したプログラム開発と実装について発表しました。COBOTTA®が焼き鳥を焼く・金魚すくいをする・綿あめを作るなど、様々な道具を持ち、それぞれに必要な動作をする様子を実演発表しました。ラジャマンガラ大学の学生2名は、Delta Robotoを用いてアームを3D方向に自在に操作するプロジェクトについて発表しました。コントローラーとしてwii nunchakuを使用するなど、異なる視点やアプローチ法があり本校学生にとって驚きと学びがあったようです。お互いの発表にプログラミング方法や利用ソフトについて質問が飛び交い、改善点など活発な議論が交わされました。
ご参加いただいた支援企業(両校の協定締結の橋渡しとなった企業)からも、双方の学生が興味深く聞き入る様子から良い経験になっただろうと評価いただきました。昨年以上に多くの学生が聴講し、英語に苦戦しながらも興味深く発表に聞き入りました。
今回の交流では、研究発表のみならず文化紹介の時間も設けることで、学生の緊張が解けるとともに、工学だけでなく文化面でもより深い相互理解に繋がりました。2度目となる今回の交流では、前回よりもCDIO Initiativeの実践活動など詳細な教育プログラムに踏み込み協議することができ、より具体的な相互交流への端緒となる貴重な機会となりました。
参加者集合写真(写真撮影時のみマスクを外して撮影しております)